アパート経営は儲かると思われがちですが、実際にはお金が掛かります。入居者が退去すればきれいにリフォームやクリーニングし、仲介会社に手数料を払って次の入居者を決めてもらいます。設備が古くなれば故障も多くなり、交換費用が掛かります。
アパートの運営には経費がかかるため、手元に残るお金は少ないです。そのためこの出ていくお金である経費をいかに少なくするのかがアパート経営で儲けるカギとなります。
具体的にどのようにすればよいのでしょうか。それは、経費の中で大きなウェイトを占める大規模修繕の費用を少なくすることです。アパートの修繕計画を立てて適切な時期に適切な修繕を行い、費用の削減に努めることが必要です。
ここでは、アパートの大規模修繕の費用と相場について見ていき、さらに大規模修繕の見積もりが高い場合に考えるべきことについて解説します。
もくじ
アパート大規模修繕の費用と相場
アパートは日々古くなっていきます。新築から10年程度は修繕が必要なことはほとんどありませんが、10年を過ぎれば次々と問題が出てきます。
もちろん入居者が退去する場合には、汚れた壁紙や床材を張り替えることがあります。ただ大規模修繕では、それ以外に大がかりに設備の入れ替え、外壁・屋根・共用部の塗装、排水管の入れ替えなどが必要となります。
このような大規模修繕に関して、それぞれ項目ごとに交換時期はいつ頃で費用はいくらくらいかかるのでしょうか。さらにアパート全体で大規模修繕費用は、年数ごとにいくらかかるのでしょうか。
こんなにかかるアパートの修繕費用
まず屋内設備に関する大規模修繕として、一般的に下記の費用がかかります。
・アパートの修繕費用と時期の目安(屋内設備)
設備名 | 取替費用の目安 | 交換までの期間 |
エアコン | 6~8万円 | 10~15年 |
給湯器 | 8~12万円 | 10~15年 |
キッチン | 8~20万円 | 20~30年 |
洗面台 | 8~12万円 | 20~30年 |
ユニットバス | 40~60万円 | 20~30年 |
屋内設備に関しては、ざっとこのくらいの修繕が必要となります。この中で、エアコンや給湯器は生活必需品なので、壊れたら必ず取り替えなくてはいけません。壊れなくても10年を過ぎれば性能が悪くなり、黄ばんで見た目も悪いです。
例えば、下記のような写真のエアコンの部屋には「入居したくない」と大家である私も感じます。
一方で、キッチンや洗面台は故障することはありませんが、古いものは印象が悪いです。入居募集の際には新しいものが置かれていた方が気持ちがよく、入居が決まりやすいでしょう。
キッチンは扉の一部が破損したり、上部のステンレスに傷や腐食が見られたりすることがあり、部分的に修繕するよりも交換の方が安く済む場合があります。洗面台は衛生的に使いたいところなので、特に女性の場合には、黄ばんで古い印象の洗面台は避けられがちです。
それに対してユニットバスに関しては、工事費も含めて40~60万円掛かるので、交換する大家は少ないです。実際のところ、客付けに影響なければ交換の必要はありません。ただし、古く不潔な印象などで入居が決まらないようであれば、ユニットバスの交換も考えましょう。
なお、下記のように浴室の壁にシートを貼れば、印象は大分変わります。
この浴室は壁の一部に木目調のシートを貼って鏡を上からつけ、水栓をレトロなものに交換しています。これだけで大分印象が変わりました。シート貼りは技術が必要なため業者に依頼すると数万円かかりますが、慣れれば自分にてDIYで仕上げることも可能です。
もちろんユニットバスを全部交換するのが一番良いですが、資金が足りない場合には、このような方法も検討しましょう。
アパート1棟ではいくらの費用相場になるのか
次にアパートの外回りの修繕費用について見ていきます。シングルタイプ1Kの部屋が10戸のアパートを例に考えます。
仮に延床面積を100坪とすると、アパート1棟当たりの修繕費用の目安は下記のようになります。このとき、塗装の種類は一般的なシリコン塗装とし、平米当たりの塗装単価は2千円と仮定します。
・アパートの修繕費用と時期の目安(建物本体・共用部)
修繕内容 | アパート1棟当たりの費用の目安 | 修繕時期 |
外壁塗装 | 80万円(400m²×2,000円) | 12~15年 |
屋根塗装 | 40万円(200m²×2,000円) | 12~15年 |
足場など | 40万円(400m²×1,000円) | - |
その他塗装 | 30万円 | 12~15年 |
合計 | 190万円 |
このように外壁と屋根の塗装、その他共用部の塗装だけで200万円近くになります。業者によって単価はもっと高い場合があります。また、ファミリータイプのアパートは塗装面積が広くなるので、当然高くなります。
外壁・屋根など外装の修繕は最低でも15年ごとに必要になります。25年を過ぎて一度も塗装していないアパートもありますが、入居付けのために早めに塗装を行いましょう。また、雨水の侵入を防止したり、ひび割れを早めに埋めたりすれば建物を守ることになります。
なお見た目がきれいだと入居付けに有効ですので、こまめに塗装した方がいいです。比較的高い家賃の場合や、転勤族が多い地域やファミリータイプのアパートの場合は、きれいなアパートしか選ばれません。
ただ、家賃や安いアパートはそれほど外観は気にされません。建物に支障ないときには塗装しなくてもいいでしょう。このように入居者の属性や地域の特性なども勘案して大規模修繕するかしないかを考えましょう。
他には、外壁や屋根の修繕だけでなく、共用設備の交換が必要になることもあります。特に費用が掛かるものとしては、下記の設備があげられます。
- 給水ポンプ交換:80~200万円程度
- 給排水管の交換:200~500万円程度
- 貯水槽の交換:200~300万円程度
そのため、これらの設備が付いているアパートについては思わぬ修繕費用が発生することがあります。
例えば、給水ポンプが故障すれば水が使えなくなります。通常は故障に備えてポンプは2台付いていますが、予備のポンプが故障する前に修理する必要があります。交換すれば80~200万円程度かかります。
また、貯水槽は修理の場合には安く済みますが、交換には200~300万円ほどかかります。直接給水方式に変更する場合にも同程度掛かります。そのため、下記のように貯水槽があるアパートは大規模修繕費用が高くなる可能性が高いです。
なお給排水管は30年程度はもちますが、漏水が多くなってきたら全交換が必要です。共用部分を全部交換するには200~500万円ほどみた方がいいでしょう。さらに部屋の中の配管を交換するには、内装もすべて剥がして配管する必要があるため、1戸当たり数百万円かかることもあります。
このように修繕しなければならない設備や建物まわりの項目は多岐にわたります。オーナーは自分で把握して、いつ修繕するのかを決めなくてはいけません。自分で考えるのをやめて管理会社に丸投げすれば儲からないのです。
そのためアパートオーナーは、常に考え続けて決断しなければいけません。つらいですが、考えただけコストは削減できるので、辛抱強く細部まで心を配りましょう。
30年間でかかる費用は1,700万円以上
これまで項目ごとに大体どのくらいの修繕費用がかかるのかを見てきました。次に、年数ごとに修繕費をざっと把握するために、どんな修繕をいつやればいいのか整理してみましょう。
下記は国土交通省の「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」に載っている木造アパートの修繕費の目安です。
出典:国土交通省 民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック
このガイドブックでは30年間で修繕費用が1,740万円かかるとなっています。実際のところ、しっかり修繕をすればこのくらいの費用がかかります。大規模修繕としては下記の内容で2回行うイメージです。
- 1度目(11~15年目):外壁・屋根の塗装、共用部の防水や塗装、給湯器の交換など(500万程度)
- 2度目(21~25年目):外壁・屋根の塗装(葺き替え)、共用部の防水や塗装、浴室の交換など(800万程度)
ただ、自分のアパートにどのくらい修繕費を掛けるのか、掛けられるのかは経営状況に寄ります。家賃帯によっては全く修繕せず、20年以上経っているアパートもたくさんあります。しかし費用がなくて修繕できない場合、入居者希望者は現れません。そのため修繕計画を立てて費用を準備しておくことが大切です。
築20年の古い木造アパートの修繕費用
そうしたとき、古いアパートであればより多くの修繕費用が必要になるのでしょうか。この問題について、実際の修繕費用は数十万円で済む場合から、1千万以上かかることもあります。
実際に修繕費用がかかるアパートをどのように見分けたらよいでしょうか。下記のような場合にはお金が掛かると思ってよいでしょう。
それでは、上記のような修繕を行っていない築20年の木造アパートの修繕費用は大体いくらかかるでしょうか。例にあるようなシングルタイプ(1K)が10室のアパートの場合を考えてみます。
すぐにかかる修繕費用としては下記があります。
- 室内:250万円程度(1部屋50万円×5部屋)
- 建物・共用部:500万円程度
室内に関しては入居中の部屋が半分と仮定し、空室の半分だけをリフォームします。その場合、室内は1部屋当たり50万円程度かかり、5部屋で250万円になります。建物や共用部分に関しては、500万円程度かかると見積もります。合計で750万円となり、前述した21~25年の大規模修繕費用とほぼ同じとなります。
ただ、まだ室内リフォームをしていない部屋の費用も考えるとプラスで250万円掛かるので、合計で1,000万円にもなります。このようにあまり手入れをしていないアパートを修繕(または購入)するときは、修繕費がかさむことを頭に入れておかなければいけません。
また建物の状況が非常に悪い場合には、このくらいの費用では済みません。例えば、雨漏りやシロアリの被害、地震や地盤の影響で傾いているなどの場合などです。このような問題のあるアパートの購入を検討している場合には、それぞれ詳しい修繕見積もりを取ってから、慎重に検討するべきです。
例えば古いアパートの購入にローンを使うのであれば、手元に大規模修繕費用を残しておく必要があります。そうしなければ、修繕ができないので入居者が決まらない、入居者が決まらないので家賃が入らないことになります。入居者が決まらなければローンは返せないので、最悪の場合、自己破産することになります。
アパート・マンションの大規模修繕費用は30年までは変わらない
なお、マンションとアパートの大規模修繕費用はどのくらい異なるのでしょうか。
まず、マンションとアパートの違いを確認します。実は、それぞれ明確な定義というものは存在していません。どちらも集合住宅の便宜的な呼び名であり、大家や不動産屋が自由に決めて構わないのです。
ただし不動産情報サイトなどに載せるときなど一般的には、下記のように構造で区別しています。
・アパートとマンションの違い
このように通常は、重量鉄骨(鉄骨・S)造、鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)の共同住宅を「マンション」と呼んでいます。また、木造や軽量鉄骨の集合住宅を「アパート」と呼びます。
また構造以外の目安としては、階数で分類することもあります。3階建て以上の場合に「マンション」、2階建てまでの場合に「アパート」と呼ぶことがあります。
なおアパートに比べてマンションはメンテナンスにお金がかかるイメージがあります。しかし実は、築後30年までのマンションとアパートの大規模修繕の費用の差はほとんどありません。下記は前述した国土交通省の「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」に載っている修繕費の目安をまとめたものです。
・シングルタイプ(1K)10戸のマンション・アパートの修繕費の相場
築年数 | アパート(木造) | マンション(RC造) |
5~10年 | 70万円 | 70万円 |
11~15年 | 520万円 | 460万円 |
16~20年 | 180万円 | 180万円 |
21~25年 | 800万円 | 900万円 |
26~30年 | 180万円 | 180万円 |
合計 | 1,740万円 | 1,790万円 |
このように規模が同じであれば、築30年まではマンションでもアパートでも修繕内容や修繕金額にはほとんど差がありません。つまり木造やRC、鉄骨など構造が異なっても修繕費用はほとんど変わらないのです。
修繕費用に違いが出てくるのは築30年以降です。築30年の木造アパートは減価償却が終わって建て替えを考え始めますが、RC造のマンションは築30年過ぎてもまだまだ使わなくてはいけません。
築30年以降のRCマンションでは、給排水管の不具合、屋上・外壁のひび割れや雨漏りなどが起こってきます。また、キッチンや洗面台、ユニットバスなどの交換が必要になります。さらにエレベーターがあるマンションは更新費用がかかります。
そのため築30年以降のマンションの修繕費は、それまでの15年間と同じくらいかかるでしょう。つまり上記の1K10戸のマンションであれば15年でおおよそ1,800万弱と考えられます。
もちろん、それまでメンテナンスを怠っていたマンションであれば、さらに修繕費はかさみます。例えば下記は、私が実際に見に行った築30年近いマンションの1室の写真です。
私が見に行ったときは、リフォームが中断したまま何年も経っている感じで、天井や床はシミが目立ちました。人気のない和室は洋室へ変更しなくてははいけません。キッチンやお風呂などの設備も古くさく感じました。さらにファミリータイプの間取りで広いため、室内の修繕費は相当かかることが予想されました。
これらのことを踏まえると、築30年以降のRCマンションは大規模修繕費用が高額になります。そのため、それまでの収益の一部を修繕に備えて積み立てておくべきです。そうしないと修繕できず、修繕できなければ入居者が減っていくという悪循環に陥ります。
大規模修繕の見積もりが高額のときに考える木造不動産の特徴
なお、実際に修繕するときに見積もりを取ったら予想以上に高い場合があります。そんなときはどうしたらいいでしょうか。
相見積もりを取るだけでなく、高額の修繕費用に対応する方法として、木造アパートならではの方法があります。下記のような木造の特徴があるからです。
- RC造に比べ建物の修繕が容易
- 小規模な不動産が多く、売却しやすい
- 建物の取り壊し費用が安い
これらの特徴を踏まえて、下記のような対策を考えることができます。
意外と簡単に修正できる欠陥もある
木造アパートの場合には、建物にとって致命的な欠陥があったときでも、容易に修繕できることがあります。例えば下記のアパートは、私が購入を検討したアパートです。
このアパートは、地震の影響で建物が傾いていました。擁壁の上に建っているので、併せて擁壁の工事も必要になり、傾きを修正するのには1千万円以上かかることがわかりました。そのため、この物件の購入は見送りました。
ただ、アパートの建っている地盤によってはジャッキアップという方法により、300万円ほどで傾きを修正できることがあります。車のタイヤ交換の際に使う下記のようなジャッキを使い、アパートの沈んだ部分を持ち上げて傾きを修正するのです。
実際に私の友人はこの方法で木造アパートの傾きを直しました。最初の見積もりは別の工法の高額な見積もりだったそうです。ただ、この工法で安く修繕できる業者を見つけて、彼は安く工事をしました。
建物に致命的な欠陥があっても、簡単に修繕できて普通の物件になることが、木造アパートの利点です。また想像しているよりずっと安価になる場合があるので、たくさんの業者に問い合わせてみましょう。
自分で修繕することを検討する
また、木造アパートの場合には規模が小さいので、自分で修繕できる場所もたくさんあります。
例えば、2階建てのアパートなら、外壁塗装を自分でするオーナーもいます。そうすれば材料代だけで修繕が可能です。大規模修繕に占める塗装代は大きいので、かなりの節約になるでしょう。
また、部屋の中の修繕を自分でやることもできます。パッキンなどの水回りの部品交換は、管理会社や工事会社に依頼すると数千円かかります。しかし、実は作業は簡単であり、費用は部品代の数百円で済みます。
私の場合、トイレのウォシュレットをネットで安く購入して、自ら物件に取り付けたり交換したりします。下記は私が実際に交換したウォシュレットの写真です。
あまり頻繁にやるわけではないので工事のやり方はすぐに忘れてしまうのですが、取扱説明書を読めばほぼできます。それでも分からないときは動画を見て対処しました。工具はレンチなど簡単なもので取り付けることができます。
ウォシュレットを購入すれば接合部の部品も付いてくるので、水道への取り付けが特殊な形状でなければ問題なく取り付けられます。費用は設備代だけなので、型落ちの安いものを購入すれば、外注する場合の半分程度で済みます。
こうした少しずつの節約の積み重ねが重要です。規模が小さいアパートでは収入も少ないので、経営への効果はかなり大きくなります。もちろんプロに任せる方が仕上がりも早くてきれいなのですが、費用をねん出できない場合や経営が思わしくない場合には、簡単な修繕を自分でやるようにしましょう。
アパートの売却も視野に入れる
大規模修繕費用が高額であれば、アパートの売却も検討しましょう。先祖代々の土地など手放せない場所であればそうはいきませんが、日本の人口減少問題などを考えるとアパートを所有し続けるのはリスクも大きいです。
また、いずれアパートを売却しょうと考えていたなら、修繕前の売却はいいタイミングです。大規模修繕したアパートは、修繕していないアパートより高額で売れます。ただ、かけたリフォーム費用より高く売れるとは限らないからです。
例えば大規模修繕の見積もりが800万円だった場合を考えてみます。大規模修繕前の状態のアパートが2,000万円で売れるとすれば、大規模修繕後は2,800万円以上で売却したいです。このとき、家賃年収が300万円であれば、売却価格2,000万では利回り15%、2,800万円では利回り10.7%です。
- 大規模修繕前:2,000万円(利回り15%)
- 大規模修繕後:2,800万円(利回り10.7%)
不動産投資では利回りの高さを重視する人が多いため、15%の方が売却しやすいです。きれいな利回り10%のアパートより、ボロボロでも利回り15%の方が人気があるのです。例えば下記のようなアパートです。
このようなボロボロのアパートは、売買価格が安いので想定利回りも高くなります。このような利回りの高い少額アパートは、収益物件として人気があります。
このようにアパートの場合には、規模も小さいので値段も安い傾向があります。そのため、少しの値段の違いでも利回りへの影響が高くなります。ただし、規模が大きいアパートに関しては金額が高くなり、このことは当てはまりません。
土地として売却する方法もある
また、アパートの築年数が古い場合には、土地として売却する方法もあります。アパートの土地は一般的に間口が広く、土地を分割できるため、戸建て用地として人気の場所では高く売れる傾向があります。例えば下記のようなアパートです。
木造の場合には取り壊し費用が安いため、可能な方法です。取り壊し費用については、木造は坪単価3万円、RCは坪単価5万円ほどになります。つまり、100坪の木造アパートでは300万円くらいの取り壊し費用でしょう。
ただし、時間をかけて入居者に退去してもらい、取り壊して更地にします。このとき、入居者との交渉が難しい場合もありますが、2年ごとの更新の際に普通借家契約を定期借家契約に変更すればスムーズに退去は進みます。
まとめ
アパート経営の儲けは、実際にはごく少ないものです。ただアパート経営を続けていくためには、その少ない儲けの中から修繕費をねん出しなければなりません。入退去のリフォームだけでなく、外壁や屋根の塗装や防水、設備の更新などの大規模修繕などに備える必要があります。
そのためアパートのオーナーは大規模修繕の費用を適切に把握して、時期に合った修繕をしましょう。また、費用の中で大きなウェイトを占める大規模修繕の費用を安くする努力もするべきです。
大規模修繕の見積もりが高いときには、相見積もりを取ることやリフォームローンが一般的です。さらに木造の場合には簡単に修繕できる場合もあるので、自分で修繕の一部をやることも検討しましょう。また「大規模修繕せずに収益物件として売却する」「土地として売却する」こともよい方法です。
ただし売却できない場合や、修繕をして建物をさらに使った方がいいと判断した場合には、早めに大規模修繕を行うべきです。修繕の必要な古いアパートを子孫に残して喜ばれるでしょうか。何を目的としてアパート経営するのかよく考えて、大規模修繕を行いましょう。